ホテルやレストランで大切にしているおもてなし。その細やかな気遣いまで、海外から訪れた人へ英語で伝えたい。そんな現場を支えているのが、Hobbs Global Support の ホブス みさ さんと、夫の マーティ さんだ。
国際結婚夫婦として法人向けの英語研修事業に取り組む二人は、広島駅周辺と東広島市で、個人向けの英語朝活「Morning Talk」も開催している。
英語を通じて、人生を変えるチャンスを後押しすることを目指す みさ さんにも、英語を話せる自分を思い描けなかった時期があった。「やってみたいこと」リストに書いた小さな挑戦の積み重ねによる自己信頼感の回復。初めての海外一人旅、そして 夫 マーティさんとの出会い。現在の活動につながる歩みを聞いた。

日本人が大切にしている細やかな気遣いを、英語でも伝わるように言語化
ネイティブスピーカーと共に、言葉以上の想いを丁寧に表現する
Hobbs Global Support が法人向けの英語サポートで大切にしているのは、日本人独自のおもてなしの精神や細やかな気遣いを、ネイティブが使う自然で美しい英語表現へと整えることだ。インバウンド観光で、日本を訪れる外国人とおもてなしの現場にいる人が、会話を通じてもっと交流をしてほしい。その後押しを英語でサポートしたい。マーティさんと共に、国内のホテルを訪れるたびにそう思うようになった。
企業が伝えたい意図や日本語の表現だけではない繊細なニュアンスを みさ さんがくみ取り、ネイティブスピーカーである マーティ さんと共有する。その想いを、美しく自然で流れるような表現へと マーティ さんが英語で再構築していく。
マーティ さんは、小説を書けるほどの高い文章表現力を持つという。英語を母国語として話す力に加え、伝えたいことを文章で的確に表現する力が、お二人がサポートする法人向け英語研修での大きな魅力となっている。
企業側は、伝えたい内容を日本語で相談できる。自分たちで英語の説明を考えるのではなく、接客の現場で何を大切にしているのか、どのような気持ちを届けたいのかを話せる。日本語で意図をくみ取る役割と、自然な英語で表現する役割。その両方から企業が求める英語表現をその場ですぐに提案できることを、みさ さんは自分たち夫婦独自の強みだと見いだしている。
広島駅周辺と東広島市で、英語を話す朝の時間を
英語に興味がある個人に向けては、英語で会話を楽しむ 朝活「Morning Talk」を開催している。広島駅周辺では月2回、二人が暮らす東広島市では月1回。2026年4月の初回開催では、広島のテレビ局から取材も受けた。
きっかけは、マーティ さんの持つ語学力やコミュニケーションスキルを、みさ さんの生徒や知り合いだけにとどめず、もっと多くの人に届けたいと考えたことだった。通勤や通学の前に立ち寄り、ネイティブと英語を話せる場所をつくりたい。みさ さんが相談すると、マーティ さんも賛同し、約2週間で開催へと動き出したという。
初めて参加する人たちから届いた「こんな場所(朝活)を探してました!」という声が、みさ さんにはとてもうれしかった。英語を話す機会を探し求めていた人へ、実際に集まれる場所を届けられたと感じる出来事だったという。
「やってみたいこと」リストの最後に残った英語が、人を支える仕事になるまで

小さな興味を、一つずつ実行する
人生がしんどく、未来に希望を持てなかった時期。みさ さんが取り組んだのは「やってみたいこと」を思いつく限り書き出す夢リストだった。
まず最初にネイルに挑戦。2016年1月ネイルスクールへ入学。同年4月にネイル検定3級、10月には2級に合格した。サルサダンスを習ったり、カヤックに乗ってみたり。気になるレストランで食事をしてみたり。少し気になるけど、あきらめていたことも全部リストにして、一つずつ実行していった。
その中で、最後までなかなか手をつけられなかったのが英語だった。学生時代は試験で点数を取るための英語は得意だったものの、いざアルバイト先で、「英語できるでしょ」と外国人を相手にするように言われたとき、言葉が出てこなかった。その苦い体験から「自分には英語を話せるようになるなんてムリ」と、英会話から遠ざかっていたという。
初めてのLA旅行で改めて感じた、ネイティブ相手に話す英語の難しさ
2017年3月、みさ さんはサルサの先生の結婚式に招かれた。先生の夫はアメリカ人。二人や周囲の人たちの雰囲気に触れ、国際恋愛への憧れも生まれた。
同年9月には、初めての海外旅行でロサンゼルスへ。一週間の一人旅では、レストランでの注文に緊張し、チェックインに30分かかったりと悪戦苦闘。ネイティブ相手に英語を実際に使う難しさを改めて経験した旅でもあった。
その旅行中、ホームシックになって投稿した Facebook に反応してくれたのが、後に夫となる マーティ さんだった。
帰国後の10月には、オンライン英会話での学習を本格的に始める。体験レッスンでの判定は中学1年生レベル。毎日25分のレッスンを3か月続けたものの、基礎から学び直すところからの再出発だった。
急かされず、自分のペースでいられる安心感
2017年10月26日、マーティ さんが初めて日本を訪れ、二人は宮島で対面した。当時の みさ さんはまだ英語を十分に話せず、ジェスチャーや笑顔も交えながら自分の気持ちを伝えようとしていた。
そんなぎこちないコミュニケーションでも心地よく感じたのは、マーティ さんが急かさずに みさ さんのことを待ってくれることだった。言葉がすぐに出なくても、自分のペースでいられる。自分のことを理解しようとしてくれている。いままでとは違う安心感があったという。
同年11月に交際が始まり、2018年5月には、みさ さんが初めてシカゴへ マーティ さんに会いに行った。2019年5月に婚約し、同年11月、日本で婚姻届を提出。コロナ禍で離れて暮らす時期を経て、2021年4月にマーティ さんが来日した。
話せないことで断られた経験を、同じ悩みを持つ人の支えに
英語や外国人との恋愛、結婚について学ぼうとする中で、みさ さんには、英語が話せないことを理由に相談を断られた経験もある。
「英語が話せないのに、国際結婚なんてありえない」
そう言われても、親しい間柄でするような普段の会話は教科書には載っていないし、学べない。相手との関係性を深められる英語での表現方法を本気で身に付けたかった。マーティ さんとのやり取りを通じて、試行錯誤を重ねた経験が、同じような思いを抱える人を支える仕事につながっていった。
2022年頃からは、外国人との恋愛や国際結婚に悩む40代以上の女性に向けて、オンラインで英語コーチングを始めた。英語が苦手でも、やってみたいことがある。違う文化を持つ相手のことを深く知って、もっと親しくなりたい。そんな人に、自分の経験を役立てたいと考えたのだ。
2026年春からはじめた法人向けの英語研修事業では、新規営業の難しさにも直面した。みさ さんには、理系女子向けの学習塾を、紹介や口コミを中心に長年運営してきた歩みがある。そこで続けてきた方法とは違い、新しい相手に自分たちのサービスを知ってもらうことは、大きな挑戦だったという。
個人へのコーチングから、地域の朝活、法人への支援へ。みさ さん自身も、新しい相手に届けるための一歩を重ねている。
漫画で読む、ホブス みさ さんの歩み
取材記事をもとに構成したストーリー漫画です。過去の衣服や細かな動作などは、漫画として再構成しています。
やりたいことをためらっている人へ

英語を話せる未来なんて見えなかった、過去の自分と重なる
みさ さんが支えたいのは、やりたいことがあるのに、一歩踏み出せない人だ。
自分自身も、英語を話す未来を思い描けずにいた。海外で言葉が出ずに困ったことも、本気で学ぼうとして断られたこともある。だからこそ、英語が話せないことを理由に夢を諦めている人の姿が自分の過去と重なるそうだ。
英語を通じて会話することは、異なる価値観に触れる機会にもなる。みさ さんが届けたいのは、英語の知識とともに、自分の世界が広がっていく楽しさだ。
人生はいくつからでも、180度変えられる。
そうハッキリと断言できるくらい、過去を乗り越えてきた みさ さん。
だからこそ、英語という日本人にとってハードルが高く感じられるコミュニケーションを通じて、参加する人が安心して自分の可能性を拡げる場を提供できるのだ。
個人の一歩から、広島のおもてなしへ
今後は、ホテルやレストラン、観光に関わる事業者へのサポートを、さらに広げていきたいと考えている。
接客の現場で大切にしている細かな気遣いを、海外から訪れた人にも伝わる英語にする。そして、身近な場所で英語を話したい人には、実際に会話できる時間と仲間を提供していく。
広島で英語を話す機会を探している人にも、自社のおもてなしや魅力を英語で伝えたい企業や事業者にも。
みさ さんと マーティ さんご夫妻は、二人の経験と言葉の力を生かし、出逢う人たちそれぞれの一歩を支える活動を続けている。














